タッチタイピングの習得にかかる期間は?現実的なタイムライン

すべてのキーの位置を覚えるのに、ほとんどの大人は毎日練習して1〜2週間、合計でおよそ5〜10時間かかります。以前の速度に戻るにはもっと時間がかかります。キーを見ながらゆっくり打っていた人なら数週間、自己流でそれなりに速く打てていた人なら、1〜3か月かかることもよくあります。以前の速度を大きく超えるには数か月単位の時間が必要です。かかる時間を左右するのは才能よりも、どれだけ頻繁に練習するか、そして練習以外の場面でもキーを見るのをやめるかどうか、の2つです。

最初の文の数値は、研究でそれなりに裏付けられているものです。その後の数値は推定で、どれが推定かは以下で明記します。

研究が測ったこと

大人がタッチタイピングの最初のレッスンから速く打てるようになるまでを追った研究はごくわずかなので、根拠は断片的にしかありません。

最もはっきりしているのは、イスラエルのテクニオン(イスラエル工科大学)による2003年の研究です。21〜28歳の学生22人がタッチタイピングの講座を受け、修了までに平均約8時間かかりました。その後さらに6時間、自分の課題を入力して過ごしました。

研究の時点タッチタイピングの速度(WPM)
訓練前(キーを見ずに)8.1
訓練前、ふだんのキーを見る打ち方18.4
8時間の講座の終了時21.1
さらに6時間、実際に使った後28.7
その2週間後25.8

目を引く点が2つあります。まず、この学生たちは講座の終わりには以前の速度を超えていましたが、以前の速度はもともと遅いものでした。次に、最も大きく伸びたのは講座そのものではなく、実際の作業でその技能を使ったときでした。

もうひとつの根拠は、郵便番号の入力のためにタイプライターのキーボードを覚えた英国の郵便局員72人を対象にした1978年の研究です。1日1時間練習したグループは、キーボード全体を覚えるのに平均34.9時間かかりました。1日2時間のセッションを2回行ったグループは49.7時間必要でした。題材は文章ではなくコードだったので、この時間数をそのまま文章の入力に当てはめることはできませんが、方向性ははっきりしています。練習をより多くの日に分散させたほうが、合計の時間は少なくて済むのです。

タッチタイピングのタイムライン:週ごとの節目

この表は、毎日20〜30分練習し、文字を覚えたらすべての入力をタッチタイピングで行うことを前提にしています。1行目は上の研究でしっかり裏付けられています。それ以降の行は、同じ研究と、練習によってタイピング速度がどう伸びる傾向にあるかをもとにした私たちの推定です。約束ではなく、幅のある目安として扱ってください。

時期節目キーを見ないときの典型的な速度
1〜7日目すべての文字を覚える(ゆっくり)15 WPM未満
2週目Shift、句読点、初めての本格的なテスト約15〜25 WPM
3〜6週目すべてをタッチタイピングで入力。速度が最も速く伸びる時期約25〜35 WPM
2〜3か月目自己流の典型的な速度に戻る、または超える約35〜50 WPM
3〜6か月目以降弱点を絞った練習で着実に伸びる50 WPM以上

最初の2行は、2週間の初心者向けプランで1日ずつ解説しています。

時間を日数に換算する

1日15分の練習なら、テクニオンの講座の8時間は32日かかります。30分なら16日、1時間なら8日です。1日20〜30分で2週間なら、合計は4時間40分から7時間です。「1週間でタッチタイピングを習得」が可能なのは1日1時間以上練習できる人だけで、その人たちでさえ、1週間後に速く打てるわけではありません。

人によってずっと時間がかかる理由

キーを見続けている

これが最大の理由です。テクニオンの研究者は、タッチタイピングの講座をうまく修了しても、その後もタッチタイピングを続けるとは限らないことを見いだしました。しばらくはキーを見て打つほうが速いので、急いでいるときにはそちらに戻ってしまうのです。逆戻りするたびに、進歩の一部がリセットされます。半年間「タッチタイピングを練習中」なのに、忙しいときにまだ手元を見ているなら、それは半年間練習してきたことにはなりません。

以前の打ち方がすでに速い

始めたときの速度が高いほど、タッチタイピングの速度が追いつくまでに時間がかかります。キーを見て20 WPMで打っていた人なら2週間ほどで以前の速度を超えられますが、自己流で55 WPMの人は2〜3か月かかるかもしれません。自己流で速く打てる人が追いつくまでの時間を測った研究は見つからなかったので、この数値はテクニオンの速度データと、速度が高いほど伸びが遅くなることをもとにした私たちの推定です。その水準で覚え直す価値があるかどうかは、タッチタイピングとキーを見ながらの打ち方の比較の記事を参考に判断してください。

練習をまれに、まとめて行っている

詰め込みは分散に負けます。郵便局員の研究では、最もよく分散したグループは、最も詰め込んだグループより約30%少ない時間で済み、訓練の終わりの速度も上でした。

目標のない練習

2007年の大学生60人を対象にした研究では、タイピングの授業を受けたこと自体は速度を予測しませんでした。最も速かったのは、授業を受けたうえで、ふだんの入力でも速く打とうと努力していた人たちでした。遅いキーなど具体的な目標を狙った練習は、ただ繰り返すだけの練習に勝ります。練習ページでは、実際にミスしたキーと単語からドリルを作ります。

技能は衰える?

やめれば衰えます。郵便局員の研究では、9か月間タイピングしなかった人は速度の約30%を失い、その大半は最初の3か月で失われていました。毎日使っているタッチタイピングは同じようには衰えません。毎日使うこと自体が練習だからです。あまり入力しない日に短い練習をすれば、技能を保てます。燃え尽きずに毎日の習慣を続ける方法についても記事を書いています。

上達を測る方法

週に1回、1分間テストを3回受けて、真ん中のスコアを記録しましょう。そうすれば、1回の失敗で推移が乱れません。速度だけでなく正確率も記録してください。速度が上がっていても正確率が95%未満なら、たいていは急ぎすぎています。40 WPM前後で安定したら、40〜80 WPMの練習プランに引き継ぎましょう。

よくある質問

タッチタイピングは7日で習得できますか?

毎日1時間ほど練習すれば、7日ですべての文字の位置を覚えることはできます。ただし、まだ以前の打ち方ほど速くはなりません。そこまでには、毎日使って数週間かかります。

タッチタイピングの習得には何時間かかりますか?

テクニオンの研究では、大人がタッチタイピングの講座を修了するのに約8時間かかり、終了時にはキーを見ずに約21 WPMで打てるようになっていました。自然に感じられるようになるまでには、さらに数時間、実際に使う必要があると考えてください。

タッチタイピングで60 WPMを打てるようになるにはどのくらいかかりますか?

ゼロから始める大人の多くは、定期的な練習で何か月もかかります。もっと早く到達する人もいて、特にもともと速く打てていた人はそうですが、正確な期間についての信頼できる研究データはありません。

子どもは何歳からタッチタイピングを習うべきですか?

年齢を定めている教育機関や保健機関が見つからなかったので、ここでは年齢を挙げていません。実際的な面は、別の記事子どものタイピングで扱っています。

出典