子どものタイピング:始める時期、環境の整え方、教え方

子どものタイピングは、子どもの体に合った環境で、短い練習を定期的に続けるのが最も効果的です。始める時期は、学校でパソコンで文章を書く課題が出始めるころが目安です。米国では、共通基礎スタンダード(Common Core)の作文の基準で、ふつう8〜9歳になる3年生からキーボード入力が登場し、4年生までに1回でまるまる1ページを入力できることが求められます。もっと小さい子でも、本人がやりたがるなら始めてかまいません。日付よりも、後で紹介する準備ができているサインのほうが大切です。

このガイドは保護者と先生向けです。始める時期、机まわりの整え方、1回の練習時間、何をどの順番で教えるかを扱います。特定の子ども向けソフトはおすすめしていません。ここに書いたことは、当サイトを含め、ふつうのタイピングテストならどれでも実践できます。

子どもは何歳からタッチタイピングを習うべき?

タッチタイピングを始める最低年齢を定めている教育機関や保健機関を探しましたが、見つかりませんでした。見つかったのは学校が求める水準で、子どもにとってタイピングがいつから重要になるかを知るには、それが妥当な目安になります。

米国の共通基礎スタンダード(Common Core State Standards)の作文の基準は、次のような段階を定めています。

学年基準が求めること
3大人の指導と支援のもとで、キーボード入力の技能を使い、テクノロジーを活用して文章を作成・発表する
41回で少なくとも1ページを入力できるだけのキーボード入力の技能
51回で少なくとも2ページ
61回で少なくとも3ページ

基準が何を測っているかに注目してください。1分あたりの単語数ではなく、1回で入力できるページ数です。家庭でもこれは良いお手本になります。自分で書いた文章を途中で投げ出さずに1ページ入力できる子は、WPMがいくつであっても、学校で必要な技能を持っています。

5歳未満については、答えはほぼ決まっています。世界保健機関(WHO)は、1歳児には座ったままの画面時間をまったく設けず、2〜4歳児には1日1時間まで(少ないほど良い)とすることを推奨しています。タイピングの練習も、その1時間から割くことになります。

年齢よりも、準備ができているかどうかの実際のサインのほうが判断しやすいものです。よく使う短い単語を、一文字ずつ音に出さずに読めるか。10分間座って集中できるか。指が無理なくホームポジションのキーに届くか。3つともはいなら、始める準備はできています。

小さな体に合わせて机まわりを整える

大人用の机に向かう子どもは、腕を上げ、足をぶらぶらさせて座っていることがよくあります。コーネル大学の子どものパソコン利用に関する人間工学のガイドラインは、目標とする姿勢を次のように説明しています。

  • 椅子の端にちょこんと座るのではなく、深く腰かけて背中を椅子の背もたれに預ける。
  • 足は床か足台の上に平らに置く。丈夫な箱でもかまわない。
  • ひじは直角より広く開き、前腕がキーボードに向かってやや下向きに傾くようにする。
  • 手首はまっすぐ前腕と水平に保ち、曲げるのはおよそ15度までにする。
  • 画面は、子どもが頭を後ろに傾けなくても見える位置に置き、窓や照明の映り込みがないようにする。

たいていの場合、解決策はクッションか高さを調整できる椅子で子どもの座る位置を上げ、足の下に何かを置くことです。コーネル大学のガイドラインは、キーボードとマウスが子どもの手の大きさに合っているかを確認し、手が小さければ小さめのキーボードを検討することもすすめています。ノートパソコンでも中立的な姿勢という原則は同じで、多くの場合、画面とキーを別々に配置できるよう外付けキーボードを追加することになります。

これは一般的なガイダンスで、医学的な助言ではありません。お子さんがタイピング中に痛みを訴えたら、医師に相談してください。

大人向けには、タイピングの姿勢ガイドでさらに詳しく説明しています。

練習は短く

たまに長くより、少しずつ頻繁にのほうが効果的です。マルタ政府の障害者支援機関であるAġenzija Sapportは、キーボード技能のガイドの中で、1回10〜15分の練習を週4回以上行うことをすすめています。このガイドは障害のある学習者向けに書かれたものですが、このパターンはほとんどの初心者に合います。コーネル大学のガイドラインも、休憩をはさんでパソコンの使用時間を管理するよう助言しています。

1回の練習は、たとえば次のような流れです。

  1. ホームポジションで2分間のウォームアップ。
  2. 左手の上の段のキーなど、新しい技能を1つ、8分間。
  3. 実際の単語か、子どもが選んだ文を3分間入力する。
  4. まだうまくいっているうちに終える。

うまくいったところで終えると、次の練習を始めやすくなります。

何をどの順番で教えるか

まずホームポジションと指の割り当て

それぞれの指はホームポジションのキーを1つ受け持ち、その上下のキーの列を担当します。FとJの突起があるので、手元を見なくても指をホームポジションに戻せます。どの指でどのキーを押すかは当サイトの指の配置表に、方法の手順はタッチタイピングのガイドにまとめています。

目は画面に

タッチタイピングを成り立たせる習慣は、手元を見ないことです。手の上に軽い布をかけたり、単に「目はどこを見てる?」と声をかけたりするのが効果的です。しばらくは遅く感じるものと考えておいてください。

速さより正確さ

最初はWPMを気にしないでください。速く打てた行ではなく、ミスなく打てた行をほめましょう。打ち間違いを直してもスコア上は帳消しにならない理由は、正確さのガイドで説明しています。

早い段階で実際の単語を

文字の並びのドリルは数分なら問題ありませんが、子どもが学校で打つのは実際の単語です。当サイトの10単語テストや25単語テストのような短いテストは、小さなタイピストにちょうどよい長さです。

大文字と句読点は最後に

Shiftキーと句読点は、文字の入力が自然にできるようになってからにします。そこまで来たら、句読点テストが学校の課題に役立つ練習になります。

子どもと一緒に当サイトを使う

当サイトで入力するのにアカウントは不要で、結果は使っている端末に保存されます。利用規約で13歳未満のアカウント作成を認めていないため、子どもはゲストとして入力します。

小さなタイピストに役立つ設定がいくつかあります。単語テストと引用文テストにはカウントダウンがないので、時間のプレッシャーがありません。設定には、LexendとOpenDyslexicのフォント、文字サイズの調整があり、間違ったキーを押した瞬間に音や振動で知らせるミス通知もあります。練習ページでは、その端末で子どもが最もよくミスするキーからドリルを作ります。

先生へ

授業では、設備よりも一貫性のほうが大切です。毎回のパソコンの授業の最初に同じ短いウォームアップを数分行うだけで、学期を通じて大きな積み重ねになります。

公開の速度ランキングは避けたほうがよいと考えます。ランキングはもともと速い子に報いるものですが、全員にまず身につけてほしいのは正確さです。代わりに、一人ひとりの上達を記録しましょう。今週の正確率を先週と比べる、あるいはCommon Coreの基準の考え方にならって、まるまる1ページを入力できるようになったかを見る、といった方法です。

よくある質問

子どもは何歳からタッチタイピングを習うべきですか?

私たちが調べた限り、公式な最低年齢はありません。米国のCommon Coreの基準では、ふつう8〜9歳の3年生でキーボード入力が登場し、4年生までに1回で1ページを入力できることが求められます。短い単語が読めて、10分間集中できる子なら、始める準備はできています。

子どもは毎日どのくらいタイピングを練習すべきですか?

1回10〜15分を週4回以上というのが、マルタの障害者支援機関がキーボード技能のガイドですすめているパターンです。1回の長い練習より、短い練習を定期的に行うほうが効果的です。

子どもにとって良いタイピング速度は?

学校の基準では定められていません。Common Coreが測るのは1回で入力できるページ数で、4年生で1ページ、5年生で2ページ、6年生で3ページです。この年齢では、WPMよりも正確さと持続力のほうが重要です。

子どもはノートパソコンと外付けキーボードのどちらで覚えるべきですか?

キーを覚えるだけならどちらでもかまいません。姿勢の面では、外付けキーボードのほうが適切な高さに置きやすく、コーネル大学のガイドラインは、子どもの手が小さければ小さめのキーボードをすすめています。

出典